2025年、個人開発でAIと3つのアプリを作成して得た知見 | 「基礎」への回帰
2025年にAIツールを活用して3つのアプリ開発に挑戦したエンジニアの体験談。Claude Codeの活用や、開発を経験したからこそ痛感した「設計の重要性」と「技術的な基礎知識」の必要性について詳しく解説します。

はじめに
AIエージェント元年と言われた2025年。 AI駆動開発に興味を持ち、個人開発として自分なりに挑戦してきました。
「AIで何か作ってみたいけど、何を作ればいいんだろう?」「使ってみたけど、思ったより苦労した…」そんなふうに思ったことはありませんか。ネット上ではAIの成功例が目に入りやすいので、うまく使いこなせないと自分が遅れているように感じてしまうこともあるのかもしれません。
この記事では、AIを使って3つのアプリを作成した中で苦労したこと、学んだことをまとめました。 これからAIでの開発を始めてみたい方や、AIを使ってみたものの少し離れてしまった方が、「やってみようかな」と思えるきっかけになれば幸いです。
※本記事は2025年4月〜9月の活動記録です。
私について
エンジニア歴5年。基本設計から総合試験までを経験。
技術:Java、C#、JavaScript、HTML、CSS、DB(Oracle、PostgreSQL) - 個人開発はいくつか経験あり(学習メイン)
AI駆動開発との出会い
2025年1月、connpassのイベント「AI駆動開発(AI-Driven Development) 勉強会(第5回)」で「AI駆動開発」という言葉を初めて知りました。 そこでCursorなどのAIコーディングツールを知り、ここまで進化していることに驚きました。 すぐに使ってみたいと感じたものの、実際に触れるのはもう少し後になりました。
1. ハッカソンでAIに向き合う
4月、ハッカソンに参加します。 「AIコーディングツールに触れる機会にしたい」というのが一番の動機でした。
しかし実際は「プロダクトにAIを組み込む」ことがメインのハッカソンでした。 AIでどんな価値を生み出せるか、あれこれ考えたことは良い経験になりました。
【アプリ①】不安がある人の行動をサポートするアプリ

■ 機能
ステップ提案:「やりたいこと」と「不安なこと」を入力すると、AIが10段階のベイビーステップを提案してくれる
AIコメント:実施後の不安度や感想を記録すると、AIがコメントしてくれる
レポート作成:不安傾向を分析し、自分だけのレポートを作成してくれる
■ 技術スタック
Flutter、Firebase、Gemini API
AIツール:Cline、Cursor
■ 苦労したこと
実装にClineとCursorを使ったが、簡単な機能でエラーがなかなか解消されず、指示の出し方を試行錯誤した。 AIに調査させるよりも、当たりをつけて具体的に指示する方がうまくいくことが多かった。 Flutter初学者だったが、「実装できる人なら自分で書いたほうが速いのでは?」と思った。
スライド作成で社会課題を深掘りする必要があり、ChatGPTやGeminiと壁打ちをした。 Deep Researchも使ってもありきたりな内容が多く、結局は自分で考えるしかなかった。
AI機能の性能がイマイチで、プロンプト改善をするもあまり効果はなかった。
■ 学んだこと
規約の設定が大事。 最初は何を書いたらいいのか分からなかったので、AIに詳しくて公開している人のRulesを使わせてもらった。
要件定義書・設計書は今まで通りスプレッドシートで自分で作成していたが、AIと一緒に作成した方がよかったかも。
AIを開発に使うにしても、プロダクトに組み込むにしても、AIについての知識が必要。 チャットだけでもすごいと思っていたが甘かった。
2. Claude Codeのすごさを実感
Claude Codeはハッカソン期間中に話題になっていて気になっていましたが、実際に触ったのは2ヶ月後のことでした。 毎月お題に沿って開発するコミュニティに参加したことがきっかけです。
最初のお題は「自己紹介」。 ハッカソンでよく使われていたNext.js/TypeScript/Tailwind CSSを試すことにし、前回の反省を生かして要件定義・設計からAIと一緒に作っていきました。
また、ミガログループで月1で行われている『AIキャンパス』第1回目のアプリに感銘を受け、音声入力/文字起こし/AI評価のアプリを作りたいと思って決めました。
Claude Codeのコーディングは、ほぼ一発で動くものができ、エラーも一度の指示で解消されることが多かったです。
【アプリ②】AI音声分析による自己紹介スキル向上支援アプリ

■ 機能
音声録音・処理:ブラウザでの音声録音と自動文字起こし
音声分析:音量/高低/話速/明瞭性/安定性/印象の分析
AI評価:カスタムAI人格による評価
■ 技術スタック
Next.js、TypeScript、Tailwind CSS、Vercel、Gemini API
AIツール:Claude Code
■ 苦労したこと
Vibe Codingを意識したので特になし。 要件定義含めトータルで20時間で作成したのだが、機能開発は2時間と爆速で終わっても、自分のこだわりでUIの微調整にそれ以上の時間をかけた。 (なるべくClaude Codeの生成したUIを活かす方針でも)
■ 学んだこと
実装だけではなく、要件定義・設計もAIと一緒に行うとスムーズ。 かなりしっかりとした要件定義書・設計書を作成してくれる。
技術選定(性能のいいモデル、AIと相性のいい技術)でも進めやすさが変わる。
3. 作りたかった夢のアプリに挑戦
エンジニアになりたいと思った頃から「いつか作りたい」と思っていたアプリに挑戦しました。 私はエンジニアになる前は小売業で管理職をしており、一番効率化したかったものでした。 技術的・時間的問題でなかなか着手できませんでしたが、「AIがある今なら作れるのでは?」と思いました。
しかし、Claude Codeでも自動生成がうまくいきませんでした。
現在アプリ開発は中断しています。 設計を練るのとアルゴリズムの理解に時間が必要と感じました。 腰を据えて取り組める時に再開しようと思います。
【アプリ③】シフト自動生成アプリ(中断)

■ 機能
シフト自動生成:休み希望、土日考慮、勤務時間制限、連勤制限、人間関係の制約を入れた自動生成を行う
■ 技術スタック
Next.js、TypeScript、Tailwind CSS、Supabase、Gemini API
AIツール:Claude Code
■ 苦労したこと
Claude Codeは自信満々に最もらしいこと書いて「解決しました!」と言ってくるが、5連勤までの設定が7連勤になったり、特定の人に勤務が偏ったりするのは改善されなかった。
思ったよりアルゴリズムが難解になってしまった。ChatGPTやClaude Codeは「技術的に可能」と言うが、その判断ができる知識がなかった。要件を盛り込み過ぎたかもしれない。
■ 学んだこと
DBを入れるとやはり難易度は上がる。DB設計はきちんとレビューすべきだった。
AIが生成した設計・コードを理解し、レビューできるだけの基礎知識が必要。
基礎学習に取り組む
AIと3つのアプリを開発した経験から、まず基礎知識を学んだ方がいいと思い、現在はAIコーディングツールでの開発から離れています。
Next.jsやTypeScriptの知識がなく、「動けばOK」で進めていたことに問題意識を感じていました。 AIとのやりとり自体は楽しかったものの、このまま続けても身にならない感覚がありました。
現在は、ReactとTypeScriptを中心に基礎を学んでいます。 ちょうど現場でも使われている技術です。 結合試験からの参画でコーディングを行うことはないですが、せっかくなので自分でも書けるレベルまで身につけたいです。
AIにレビューさせることもできると思いますが、最終判断は人間の役割だと考えています。 そのためにも、自分自身が判断できる基礎力を身につけたいです。
まとめ
- AIのアウトプットを判断できる基礎知識が必要。
- アイディア出し、要件定義・設計からAIと協業すると効果が高まる。
- AIを使いこなすには、AIそのものの特性理解も必要。
さいごに
実際にツールを触ってみただけでも一歩は踏み出せたかなと思いますが、AIの使いこなしレベルはまだまだ足りないと思います。 ただやみくもに触っているだけでは不十分で、AIを使いこなすための知識と、開発の基礎知識は必要だと考えます。 これはどちらかに偏るのではなく、AIを使いながら、どちらも身につけていかねばと思います。
その一方で、アイディアと情熱があれば、経験問わず、おもしろいものが生み出せるかもしれないワクワクと危機感も感じました。
2026年もさらなる挑戦をする予定です。また記事として共有できたらなと思います。



