「寒くて痛い文章」を量産するAI。編集プロが模索する、本当に面白いAIテキストの作り方
元紙媒体の編集者が、AIメディアの編集長に就任。AIを活用した記事作成に挑戦するものの、できあがった「寒くて痛い」AIテキストに直面。AIの限界と、面白い文章を書かせるための葛藤と戦いの日々を綴ります。

20代の頃、紙媒体の編集者だった。10年ほど前に紙市場が小さくなっていくことに恐怖を感じ、web媒体へと移行。小さな会社を経営していた。
そこに、AIがきた。
「3日で1冊分のテキストを書けます」で仕事をとってきた私は、めちゃくちゃ焦った。私より速いやつが猛追してきたと思った。
思ったというか、実際にそうだ。
AIに勝てる分野を見つけなければいけない。
最初は何がなんだかよくわからなかったので、端から端まで情報商材に引っかかってみた。今となっては何の時間だったんだ? と思うが、情報商材屋の言う通りに各種SNSに謎のAIアカウントを爆誕させまくった。それらのアカウントの存在意義は、今も昔も何もない。ただ、「AIに指示を出すときはこういう形式でやればいいのか」「AIは今このくらいのレベル感のことができるのか」と、認識するためにはちょうどいい勉強になった。
それでもAIはどんどん追いかけてくる。
世界がこうなった以上、誰よりも速くAIについての情報を発信しなければならない。そんな思いから、2026年の3月、ミガロホールディングスのAIメディア『AXis』の編集長になった。
会社に所属する選択をしたのは、「仲間」が欲しかったからだ。AIの進化スピードについていくのに、一人では追いきれないと考えた。仲間の知見と、並走してくれる人たちがいればこの勢いに追いつけるような気がした。
入社してすぐ、Claudeを使ってAIエージェントを作成。CEO、marketing、research、writer、editor、security、と役割を分けて毎日AIに関するニュースを書かせた。完全にAIが書いた記事になってはいけないと思い、私の情報、書き方の癖などもセットした。
だが、「全然おもしろくない!!」「誰が読みたいんこんな記事!!」
会社のデスクで叫びたくなるような記事ができた。そう、AIっておもしろくないのだ。「寒くて痛い文章を書いて!」と指示を出したわけではないのに、なぜか毎回ちょっと寒くて痛い文章を書いてくる。
いわゆる人間の『暗黙の了解』が理解できない構造だからだと思う。ちょっと古いネットミームを使ってきたり、謎の方言を入れてきたりする。出身県以外の者が使う方言ほど痛いものはない。つまり、こと日本語の文章においてAIにはスピードしかないのである。
心の底からそう思ったが、それでも発信の手を止めるわけにはいけない。ちょっと改良してnoteに載せることにしてみた。
そうするといくつかの「スキ」を貰えたりする。「お!」と思い、相手を見に行くと、私とほぼ同じような記事をあげている。完全にみんながみんな同じことをしているのが目で見て取れる。
また存在意義のないものを産み出してしまった。というかAIが0→1で作った記事ってそもそも存在意義がないのでは? と、普通の現実に立ち返った。
AIは便利でもあるがゴミ製造機でもある。こっちが気を抜くとすぐにゴミを量産してくる。またしても勉強にはなった。「AIは今このくらいのレベル感のことができるのか」は、日々追いかけるしかないようである。
しかし、これはAIの現在地の問題でもある。
「AIが書いた文章がおもしろくない」これこそ長年編集者として生きてきた私が解決できる問題なのかもしれない。そう思い、ChatGPTに相談してみた。相談相手を間違ったような気がするが、その日はなんとなくチャッピーを選んだ。
「人間の『暗黙の了解』を理解したおもしろい文章を書けるAIっていないのか? 私が作れないのか?」。
相手はチャッピーである。当然のように長文とあわせて「一緒に作ろう!」と提案してくれた。アプリ『寒文除霊AI』を作るのだそうだ。
とりあえずどんなものができるのか最後まで見届けようと思いながら色々と操作していたが、途中で耐えられずに
「寒文除霊AIがもう寒いから何回も言うのやめて。アプリの名前は私が考えるから」
と伝えると、「ごめんwww除霊される側だった。笑」と言われた。

何がおもしろいん。
ちなみに、余裕でゴミアプリだった。
今はもう何と戦っているのかわからなくなってきたが、戦いは続く。



